古来より神様が鎮まる山とされる三輪山。大神神社(おおみわじんじゃ)は三輪山を御神体とし、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)をお祀りしています。
大物主大神は出雲の神様である大国主神(おおくにぬしのかみ)の幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)とされ、大国主神の国造りを助けました。
そして、その国造りの後、大物主大神は三輪山にお鎮まりになり祀られるようになりました。
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日本最古の神社である大神神社の参道は厳かな雰囲気に溢れています
大神神社二の鳥居です。大多数の人がこの鳥居をくぐって大神神社に参拝すると思います。
しかし、山の辺の道を歩いて来る人はこの鳥居をくぐらないんですね。天理方面からの人は狭井神社のところから大神神社に入りますし、桜井方面からの人は拝殿南側の鳥居から入る人がほとんどでしょう。
ちなみに、一の鳥居はどこにあるかご存知ですか?
大神神社に参拝する人が100人いたとして、一の鳥居をくぐって参拝する人は多くてもせいぜい1~2人程度か、もっと少ないかもしれません。
なお、たまに勘違いしている人もいらっしゃいますが、あの大きい鳥居は「大鳥居」であって「一の鳥居」ではありませんよ。
以下の地図を見てください。
一の鳥居はメインの車道から少し離れたところにあるんですね。大神神社一の鳥居駐車場バス停の南側になります。
ただ、行かれたとしても、「ふ~ん、これが一の鳥居か~」ぐらいに思われるかもしれません。
まぁ、無料駐車場の1・2・3に停められた場合は、そんなに回り道でもないので一度行ってみてはいかがですか。
なお、無料駐車場1~5は、私が分かりやすく説明するために、勝手につけた番号です。実際に、その番号の無料駐車場があるわけではありません。
参道です。木々に囲まれたゆるやかな上り道になります。大神神社は二の鳥居からの参道が大好きです。
日本最古の神社であり大和国の一宮だけあって、とても厳かな雰囲気に溢れていますよ。
太鼓橋です。昨年(2016年)に新しくなりました。この後の、祓戸神社や手水舎でも穢れを祓いますが、まずは太鼓橋を渡ることにより穢れを祓います。
祓戸神社(はらえどじんじゃ)です。こちらを参拝することにより体と心を祓い清めましょう。
祓戸神社には御祭神として祓戸四神の、
- 瀬織津姫神(せおりつひめのかみ)
- 速秋津姫神(はやあきつひめのかみ)
- 気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)
- 速佐須良姫神(はやさすらひめのかみ)
が祀られています。
夫婦岩です。三輪山は神体山であり、神様が依りつかれた岩は磐座(いわくら)と言われ信仰の対象となります。
二つの岩が夫婦のように見える夫婦岩も磐座の一つです。
縁結び・恋愛成就・夫婦円満に霊験あらたかです。
手水舎です。写真には写っていませんが、巳さん(蛇)の口から水がでます。
階段から縄鳥居のあたりに来ると、「三輪さんに来たな~」って思います。とても美しく神々しいです。
巳の神杉です。
蛇神は大神神社の御祭神である大物主大神の化身であると言われ、この神の木の祠には白い蛇が出入りするそうです。
神杉には蛇の好物である卵がお供えされています。なお、卵はこの巳の神杉だけでなく、いたるところでお供えされているのを見かけます。
大神神社の拝殿です。
神社は、鏡や剣などの御神体が鎮まる本殿と参拝する場所の拝殿があるのが一般的です。しかし、大神神社の場合は神奈備の三輪山そのものが御神体であり本殿はありません。拝殿を通して三輪山を拝むという原初的形態のお祀りが今も続いています。
拝殿と御神体である三輪山との間には、三ツ鳥居(みつとりい)という鳥居を三つ組み合わせた独特な鳥居があり、結界になっています。
なお、現在の拝殿は寛文4年(1664年)に徳川4代将軍の徳川家綱によって再建されたもので国の重要文化財に指定されています。
大神神社の御祭神は、
大物主大神(おおものぬしおおかみ)
で、配神が、
大己貴神(おおなむちのかみ)
少彦名神(すくなひこなのかみ)
になります。由緒看板には、
大物主大神は、世に大国主神(大国様)の御名で知られる神であり、その御魂(幸魂・奇魂)が三輪山に永くお留になっている。と書かれています。
なお、大国主神は多くの別名を持ち、大己貴神もその一つです。
そして、少彦名神は大国主神の国造りを手伝った神様です。
ちなみに、大和国の大神神社になぜ出雲の神様が祀られているのか疑問に思われたことはありませんか?
そんな方にオススメなのがこの本。とても興味深い話が満載で楽しく読めました。
出雲と大和――古代国家の原像をたずねて
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参集殿です。ご祈祷はこちらで受け付けています。
参集殿の中には「なで兎」があります。
大神神社では崇神朝以来、卯の日にはご神縁の日として毎月お祭りをしています。なので、卯(う)は兎ということで、「なで兎」として今に伝わっているそうです。
祈祷殿と儀式殿です。社殿は檜を用い1997年(平成9年)に竣功しました。
日々の祈祷や結婚式などで使われます。元プロ野球選手の清原和博氏もここで結婚式を行いました。
これから狭井神社と久延彦神社へ向かいます。
くすり道を通りしばらく歩くと磐座神社があります。
御祭神は大物主大神と共に国造りを行った少彦名神です。
三輪山には磐座(いわくら)が点在していて、
頂上にある奥津磐座には大物主大神。
中腹の中津磐座には大己貴神。
山麓の辺津磐座(この神社)には少彦名神。
が鎮まっています。
狭井神社に到着しました。参拝した後、三輪山に登拝します。
山の辺の道・南(1)桜井駅から海柘榴市を通り平等寺、大神神社へ
山の辺の道・南(2)大神神社は三輪山を御神体とする日本最古の神社です ←今ここです
山の辺の道・南(3)狭井神社から三輪山登拝、久延彦神社・檜原神社へ
山の辺の道・南(4)景行天皇陵・崇神天皇陵、長岳寺から石上神宮へ
山の辺の道・北(1)石上神宮は剣に宿る神霊を祀る奈良有数のパワースポット
山の辺の道・北(2)天理の街を抜け白河溜池(ダム)から弘仁寺へ
山の辺の道・北(3)円照寺から白毫寺、そしてゴールの奈良公園へ
山の辺の道・北(4)帯解駅から新薬師寺まで北コースの後半を歩く
山の辺の道・北(5)新薬師寺から春日大社へ!北コースの最後は観光客がいっぱい