山の辺の道の北コースは、近鉄てくてくまっぷのルートによると近鉄奈良駅から天理駅までで約22kmです。
南コースの桜井駅から天理駅の約16kmに比べると少し長いこともあり、2つに分けて掲載しています。
近鉄てくてくまっぷ(奈良-7) 北・山の辺の道コース(1) 約10km
近鉄てくてくまっぷ(奈良-8) 北・山の辺の道コース(2) 約12km
そして、この2つのルートはどちらも天理方向へ南下するパターンなんですね。
今回私は、2日前と今日とで2回北コースを歩きましたが、逆にどちらも北上するパターンでした。
まぁこれは、特別に何か理由があるってわけでなく、最後のゴールが観光客がいっぱいの奈良公園の方がいいかな。というぐらいの理由です。
ただ、この北上するパターンの場合は、奈良市内にある寺社の参拝時間が何時までなのかを確認しておかなければなりません。
例えば、今日私が行く予定の新薬師寺は午後5時までですし、春日大社では夏季(4月~9月)が午後6時までで冬季(10月~3月)は午後5時までです。
※本殿前特別参拝は午後4時まで
他の奈良市内のお寺も、だいたい午後4時半か午後5時ぐらいまでですね。
ですので、確実に参拝するなら、早めに出発するか、先に参拝して南下するパターンにしてください。
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十二神将は必見!世界遺産ではないですが新薬師寺は魅力溢れるお寺です
2日前に来たときは午後5時をまわっていたので拝観できませんでしたが、本日は午後4時頃に到着。久しぶりに参拝します。
奈良市内の寺社などは1998年に「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されました。
そして、その構成遺産は
- 東大寺
- 興福寺
- 春日大社
- 元興寺
- 薬師寺
- 唐招提寺
- 平城宮跡
- 春日山原始林
になります。
新薬師寺は国宝が多数あって魅力あふれるお寺なのですが世界遺産ではありません。
そのせいもあってか、東大寺や興福寺、春日大社などに比べると観光客は少ないです。位置的にも微妙に遠いですしね。
今回の私のように山の辺の道を北上してきたのなら、奈良公園近くにきて最初の有名どころの神社仏閣になりますが、近鉄奈良駅からだと徒歩で30分ぐらいはかかるでしょう。
奈良に訪れる人で一番人気だと思われる東大寺の大仏が奈良公園の北の端だとすれば、新薬師寺は奈良公園の南側になるので、これもまた微妙に遠いです。
だからなのか、東大寺や春日大社は中国人を筆頭にアジア系の観光客がひしめいていますが、新薬師寺は少ないです。
そもそも、新薬師寺に鹿はいませんからね。アジア系観光客からすれば鹿がいない場所にはあまり行きたいと思わないのかもしれません。
南門から境内に入ると、すぐ目の前に本堂が見えます。創建当時は大きな寺だったようですが、現在の新薬師寺はこじんまりしたお寺です。
初めての方は、えっ、有名な寺なのにこんなに小さいの。と驚かれると思います。東大寺や興福寺とは比べ物にならないぐらい小さいです。
けど私は、そんなこじんまりしたお寺に素晴らしい仏像がいっぱいある。というところが大好きなんですね。
それにしても、この日はゴールデンウィークなのですが観光客はあまりいません。人が途切れる時を待っていたとはいえ、誰も人が写っていないでしょ。
そして、この本堂の中に、本尊である薬師如来坐像と十二神将立像が安置されています。
写真撮影はできませんので、以下の動画をどうぞ。
続いて、境内の様子です。
稲荷社と石仏群です。
こちらにも石仏群が。奈良らしく素朴な感じがいいですね。
鎌倉時代の建物の地蔵堂です。
十一面観音菩薩立像、薬師如来立像、地蔵菩薩立像が安置されています。
釣鐘は天平時代のもので、鐘楼は鎌倉時代の建物です。
そして、この後は春日大社に向かいます。
春日大社はアジア系の観光客がいっぱいです
新薬師寺から北上し中の禰宜道(なかのねぎみち)を歩きます。
まわりは原生林で、静寂が感じられてとてもいい雰囲気です。
左前方に二之鳥居が見えてきました。
春日大社二之鳥居です。こちらから神域に入ります。
伏鹿手水所(ふせしかのてみずしょ)です。こちらで手と口を清めます。
手と口を清めた後は、祓戸神社にお参りしさらに心身を清浄にします。
祓戸神社の由緒看板です。
春日祭における勅使の祓戸の儀は全てこの御神前で行われます。
南門です。ここから回廊内に入ります。
春日大社の御祭神は、
- 第一殿:武甕槌命様(たけみかづちのみことさま)
- 第二殿:経津主命様(ふつぬしのみことさま)
- 第三殿:天児屋根命様(あめのこやねのみことさま)
- 第四殿:比売神様(ひめがみさま)
になります。
拝殿のようですが、そうではなく、幣殿(へいでん)・舞殿(ぶでん)です。
右側(東側)2間が幣殿で、左側(西側)3間が舞殿になります。幣殿は御幣物を一旦納めるための建物で、舞殿では御神楽が行われます。
一般の私たちはこちらから参拝することになります。
こちらで特別参拝を受付けています。初穂料500円を納めれば、回廊を通り本殿前の中門から参拝することができます。
受付時間は午前8時半から午後4時までになります。今日はもう受付終了でした。
砂ずりの藤です。樹齢800年ともいわれ、5月初旬ごろに花の穂が1メートル以上に延び、地面の砂にすれすほど長いことからこの名がつけれれました。
ちょうどこの日は5月7日で5月初旬でしたが、地面にすれるほど長いのはありませんでした。とは言え、見事な藤の花ですね。
春日大社の近くの国宝殿では国宝鎧四領同時公開の特別展開催中でしたが、閉館時間の午後5時を過ぎていたので見ることはできませんでした。
回廊内の砂ずりの藤だけでなく、春日大社境内の萬葉植物園には、藤の園があって20品種約200本の藤の木が植えられています。
ちょうど見ごろのようでしたが、こちらも閉門していました。
一の鳥居と鹿です。
午後6時頃だったと思いますが、もうすでに人は少なくなっています。奈良は世界的に有名な観光地ですが、実は全国47都道府県で延べ宿泊者数が下から数えたほうが早いです。
ちなみに、2015年(平成27年)では、
- 大阪府:3,037万人(3位)
- 京都府:1,826万人(9位)
- 奈良県:255万人(46位)
- 徳島県:231万人(47位)
と、ブービー(最下位から2番目)でした。大阪府の10分の1よりまだ少ないです。
徳島県がだいたいいつも最下位ですが、奈良県は45位前後が定位置です。
ようするに、奈良県には観光客は来ますが宿泊はお隣の大阪か京都になるんですね。なので、奈良県は一番の都会の近鉄奈良駅周辺でも夜は早いです。
というわけで、本日は終了です。これから近鉄奈良駅へ向かいます。
最後に
今や大阪や京都は、中国人や韓国人などアジア系の観光客であふれかえっています。しかし、奈良は鹿が多い場所など一部を除けば観光客も少なく素朴な雰囲気がいっぱいで、ゆったりとした時間を過ごせます。
そして、奈良の観光地の中でも特に山の辺の道は、日本最古の道と言われるだけあって古き良き日本の原風景が数多く残っています。
ぜひ、古代ロマンに思いをはせながら山の辺の道を歩いてみてくださいね。
山の辺の道・南(1)桜井駅から海柘榴市を通り平等寺、大神神社へ
山の辺の道・南(2)大神神社は三輪山を御神体とする日本最古の神社です
山の辺の道・南(3)狭井神社から三輪山登拝、久延彦神社・檜原神社へ
山の辺の道・南(4)景行天皇陵・崇神天皇陵、長岳寺から石上神宮へ
山の辺の道・北(1)石上神宮は剣に宿る神霊を祀る奈良有数のパワースポット
山の辺の道・北(2)天理の街を抜け白河溜池(ダム)から弘仁寺へ
山の辺の道・北(3)円照寺から白毫寺、そしてゴールの奈良公園へ
山の辺の道・北(4)帯解駅から新薬師寺まで北コースの後半を歩く
山の辺の道・北(5)新薬師寺から春日大社へ!北コースの最後は観光客がいっぱい ←今ここです