まだお正月気分が抜けきらない1月9日・10日・11日に行われる、えべっさん(十日戎)は関西の人にはお馴染みですよね。
特に、兵庫県の西宮神社と大阪府の今宮戎神社のえべっさんは毎年大勢の人で賑わいます。
そんなえべっさんですが、そもそも何の神様かご存知ですか?
神社では「商売繁盛で笹もってこい」の掛け声が響き渡るので、商売繁盛にご利益がある神様だとは何となく分かりますが、それ以上のことはよく知らない。という方も少なくないでしょう。
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えべっさんは七福神の神様なの?
そう。えべっさん(えびす神)は七福神の神様です。
七福神とは、
恵比寿 | えびす | 日本の神様
※七福神の中で唯一の日本の神様 |
大黒天 | だいこくてん | インドのヒンドゥー教の神様から仏教の神様に
読みが似ている日本の神様(大国主命)と神仏習合 ※大国主命は出雲大社などに祀られている神様 |
毘沙門天 | びしゃもんてん | インドのヒンドゥー教の神様から仏教の神様に
※四天王で有名な多聞天(たもんてん)の別名 |
弁才天 (弁財天) |
べんざいてん | インドのヒンドゥー教の神様から仏教の神様に
日本の神様(市杵嶋姫命)と神仏習合 ※市杵嶋姫命は厳島神社などに祀られている神様 ※七福神の中で唯一の女性の神様 |
福禄寿 | ふくろくじゅ | 中国の道教の神様 |
寿老人 | じゅろうじん | 中国の道教の神様 |
布袋 | ほてい | 中国の仏僧
※七福神の中で唯一の実在した人物 |
の七つの神様の総称です。
そして、えべっさん(えびす神)は唯一の日本の神様なんですね。
えびす神は大きく二つに分かれます
日本の神である「えびす神」がどんな神様なのかについては諸説あります。
その中で、主流なのが、
「蛭子(ひるこ)」説と「事代主(ことしろぬし)」説の二つです。
蛭子(ひるこ)説
神話の世界において、天照大神(あまてらすおおみかみ)の親の神にあたる、
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)男神
伊邪那美命(いざなみのみこと)女神
という二柱の神様がいます。
二柱の神様は高天原から降り立ち海をかき回し、日本の国を作りますが、その時に蛭子(ひるこ)という名の子供をつくります。
しかし、蛭子は上手く育たず三歳になっても足が立たない不具の子だったので、船に乗せて海に流し捨ててしまいます。
その後、流された蛭子は海岸に漂着し海の神として信仰されるようになりました。
流れ着いた蛭子の伝説は全国各地にありますが、有名なのはえびす宮総本社である西宮神社に伝わる御鎮座伝説です。
事代主神(ことしろぬしのかみ)説
出雲大社に祀られていることで知られる、大国主神(おおくにぬしのかみ)という神様がいます。
因幡の白兎や国譲り神話で有名ですね。
事代主神はその大国主神の息子です。
こわもての神様である建御雷神(たけみかづちのかみ)が大国主神に国を譲れと迫った時、
大国主神は、
「私ではなく美保ヶ崎で釣りをしている息子と交渉して下さい」
と言いました。
このことで分かるように、事代主神は釣り好きなんです。そんなところから、事代主神は海の神様であるえびす神と結び付けられています。
なお、えびす神を事代主神とする神社で有名なのが大阪の今宮戎神社です。
最後に
という訳で、えべっさん(えびす神)は七福神の神様なんですね。そして、七福神の中では唯一日本の神様でもあります。
なお、えびす神を祀る神社は蛭子系と事代主系の大きく2つに分かれます。
蛭子系の代表的な神社が兵庫県西宮市にある、
であり、事代主神系の代表的な神社が大阪市にある、
になります。